グラフかごしま2020年5月号
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 明治維新から150年を迎えた平成30年に鶴丸城の御楼門復元に向けた建設工事が始まり、今年3月に完成を迎えました。 官民一体となって取り組んできた事業でしたが、復元にあたり、多くの皆様から寄付をいただき、この場を借りて深く御礼申し上げます。 かつて御楼門は、薩摩藩のシンボルとして、77万石の城下町の中心にありました。復元された御楼門が、鹿児島の新たな歴史学習の場や観光スポットとなり、回遊性のあるまちづくりに役立つことを期待しています。鶴丸城御楼門復元実行委員会玉川文生委員長完成した御楼門の見どころ!  鯱8あがたうんがたちょうなのきともえがわらしきひらがわらひらがわらまるがわらひらからぐさがわらなまこがわら鬼瓦師と呼ばれる職人の手作業で製作された阿型と吽型の4種類19面の鬼瓦。大棟に設置されたものが一番大きく、高さ115センチ、幅130センチ、重さ約190キロ。魔除けの意味合いもあります。ケヤキ3本を継いだ1本の冠木。断面約76センチ×88センチ、長さ8メートルあります。御楼門の屋根の最上部に載っている鯱は、高さ180センチ、重さ約400キロと、青銅製のものとしては国内最大級のもの。火災のお守りとされるほか、避雷針の役割も果たしています。手斧を用いた手加工による伝統技術によって、美しい魚の鱗のような模様に仕上げられています。発掘調査で出土した瓦を参考に精巧につくられた、平瓦、丸瓦、平唐草瓦、軒巴瓦、敷平瓦、海鼠瓦など、いろいろな種類の瓦が使われています。岐阜県から贈呈されたケヤキで製作された大扉。2枚一対で、1枚が高さ5メートル、幅2.5メートル、重さ約1.4トンあり、金具で装飾されています。装飾性が高い六葉は、国の伝統的工芸品に指定されている「川辺仏壇」の技法を用いて川辺仏壇協同組合が制作したものです。鬼瓦冠木(おにがわら)(かぶき)敷梁(しゃち)(しきばり)屋根瓦大扉(やねがわら)(おおとびら)六葉(ろくよう)・構造:木造2階建て・高さ:約20m・幅 :約20m・主柱(鏡柱): 約90cm×約70cm基礎構造

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